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2016 カヤックフィッシング・シーズン・イン

マニアBは瀬戸内海に一人で出航したが全く魚が釣れず「納得行かないから、明日は日本海へ出るぞ!」と、出航の誘いがあった。

春から秋にかけて日本海は穏やかだが、春は風がやや強く、カヤックは風に流され中々釣りにならない。冬の間、日本海は大荒れなので出航は出来ないのだが、春になり天気も落ち着いてくると早く出航したくて、ウズウズする。今シーズンも、風の予報を見ては『ちょい風が強いなぁ。』と出航を見送り続けていた。だが、マニアBから誘いのあった日は、昼前までは風が穏やかな予報だ。よし、早朝から昼前までなら行けそうだ!アッキーラにもマニアBの出航命令を伝え、翌朝、5時に海岸に集合する事にした。
少し肌寒いが晴れて気持ちのよい朝、上りたての朝日の中、久しぶりの出航。魚群探知機を通して覗く海の中には、沢山の小魚がいる。問題はそいつらを喰いに来る大型魚がいるかどうかだが、魚群探知機にそいつらは映っていない。実際に釣ってみても反応がない。だが、今から大型魚が回遊して来るかもしれない。
一方で気になる事があった。それはカモメの動きだ。一般的に、海上にカモメ等が集まり海面の小魚を捕食している状況を“鳥山”と言い、その鳥山の下では大型魚が捕食のため小魚を水面に追い立てている事が多い。この大型魚の捕食している状況を“ナブラ”と言う。しかし今日は、多くのカモメがいるのだが、鳥山のように一か所集中ではなく、広いエリアに散らばり、時々水面に降りてはまた飛び立っている。その状況を見るのは初めてだったので『ナブラかな?ナブラじゃないよな?』と不思議に思いながら遠方から見ていた。
しかし、気になるので、確認のためそのエリアへ近付いて行った。到着してみると、やはりナブラではなかった。しかし、カモメは何をしているのだろう。周りを見渡しても小魚は目視出来ず、魚群探知機でも水面付近の反応は特にない。だが、カモメは急転回しながら、水面のポイントに目的を持って舞い降りている。
しばらくその辺りで釣り続けていると、“バシャッ!”と音が聞こえた。その方向へ目をやると“バシャッ、バシャッ!”という音とともに二匹の魚の背中が見えた!『ナブラだっ!』と反射的に全速力でその方向へカヤックを漕ぎ始めたが、そのナブラは、それ以上続く事はなく海面は静かになってしまった。だが、これは紛れもなく大型魚が回遊して来たという事である。『きっとナブラはまた発生する』、そう思いながら音と360度の水面に注意を注いでいた。
しばらくすると、左の方から“パシャっ”と音が聞こえた。『来たっ!』と思うと同時にカヤックをその方向へ向け漕ぎ出す。水面に飛び出る魚の数はみるみる増え、音も“バシャバシャバシャバシャ”と激しくなってくる。同時に緊張感が高まり、興奮は最高潮に達する。なるべく音を立てないように、でも最大限に速くカヤックを漕ぐ。近づいてくると水面から空中に飛び出てくる魚体がハッキリと見えた。『サワラだ!』50〜60cm程度で若干小ぶりではあるが釣れれば十分楽しめるし、食べても美味しい。必死で漕ぎ進み、射程圏内に到着した。ナブラまでは30m程度。素早くトップウォータープラグ(水面に浮く小魚の形をしたルアー)をナブラに向けて投げた。
しかし、トップウォータープラグが着水すると同時に、激しかったナブラはサッと一瞬にして引き、水面はナブラなど無かったかのように静かになった。恐らくルアーの着水に驚き、逃げてしまったのだろう。肩を落としながらリールを巻いて、静かな水面を虚しく戻ってくるルアーを見つめていた。
何となく理解できてきた。この状況を整理すると、ある程度広範囲に魚群探知機では分からない小魚の小さな群が水面付近に点在していて、それをカモメが狙っており、時折回遊して来るサワラがその小魚の群れを襲っているのだろう。
離れた場所にいたマニアBとアッキーラに電話でその状況を伝えた。その電話でアッキーラからは、60cm程度の鯛を釣ったがキャッチの段階でバラしてしまったと報告があった。
マニアBは俺と同じくまだ釣果はない。そんなマニアBは、俺の近くで一緒にナブラ待ちをしていた。時々ナブラは発生するのだが、ちょっと遠く、カヤックではとても間に合わない。
『近くでナブラが出んかなぁ〜。』と休憩がてらに海をぼーっと見ていた。そんな時マニアBが何を思ったか移動を始めた。すると間も無く、マニアBが移動している方向の前方すぐ近く、ルアーが余裕で届く辺りにマニアBを待っていたかのようにナブラが発生した。マニアBは直ぐさまルアーを投げ、そのままサワラはマニアBのルアーに喰い付き、マニアBはカヤックでは今シーズン初の獲物を獲得したのだ。『なんて都合のいい釣りなんだ!』と思いながら、マニアBのもとへ漕ぎ寄った。マニアBは満足そうな顔をして、昨日のリベンジ達成を喜んでいた。
その後、ナブラが発生しなくなったので、マニアBをおいて離れた場所に偵察に向かった。しばらくしてマニアBから電話があり「そっちどう?」と聞いてきた。「全然ダメっすよ。」と答えたら「そうなん。俺、サワラ二本追加したよ。」と言うではないか。
アッキーラもマニアBもそこそこのサイズの魚を釣った。俺は釣れていない。そして、潮止まりの時間を迎えナブラは全くなくなった。風も強くなる予報なので、この日はこの状態のまま終了となった。
マニアBは高らかにカヤックフィッシングのシーズン・インを宣言しながら、三本のサワラを連れマニアB家の食卓へ向かった。
俺のシーズン・インは、一体いつになるのだろう?
因みに消化不良の俺は、そのまま佐々波川へヤマメを釣りに向かったが、そこでも何も釣れなかった。

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