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未知との遭遇

仕事を終え、夕方から庭でバーベキューを始めた。日中に時折降った通り雨のせいもあって湿気が多く、蒸し暑い中、汗だくになりながら七輪に炭を起こし、先ずはソーセージを焼きながら冷たいビールのプルタブを引き上げた。
この時点で時刻は19時。この日の日没は19時30分頃である。
この時、高校二年生の長男と小学校六年生の次男は、近くで、地上約3メートルあたりに巣をかけている蜘蛛をエアガンで慎重に狙いを澄ましながら、撃っていた。
そして日没直前頃、まだ辺りは十分に明るい中、俺が七輪の上のソーセージの焼け具合に気を取られていた時、突然、長男がやや大きな声で「うぁっ!」っと言って、二人は足下の辺り一体キョロキョロとしながら、「何!今のっ!」と言っている。
何があったのか聞くと、黄色い物が来たと言う。全く意味不明なので、それは何かと聞くと、形は楕円で40㎝程の大きさのもの。黄色も山吹色に近い濃い色であったと、二人は口を揃えて言った。引き続き全く意味不明だ。
庭には、もう直接太陽光は届いていなかったが、光の反射か何かの錯覚か、或いは蜘蛛が液体を吐き出したとか、そんな類いかと思い、その黄色の透明感や縁の具合を聞いてみた。すると、その黄色は面であり透明感は全く無く、ハッキリとは分からないが縁はクッキリしていた、そしてその楕円には奥行きを全く感じなかったと。
二人は興奮しながら説明するが、それが何かは分からない。だが、二人の説明には何のズレもない。
いよいよ不思議に思い、一人ずつ尋問することにした。
先ずは次男。彼の説明を要約すると、黄色い楕円が上空前方に現れ、“何かな?”と思うと、楕円が楕円のまま高速で顔をめがけて迫って来たので、瞬間的に両手で顔を覆い、かろうじて首だけ動かし避けた、そして楕円は背後に落下したので、振り返り足下を見たが、そこには何も無かったと。
そして長男。どの時点で認識したかは定かでないが、楕円が次男の後頭部をかすめる瞬間は明確に記憶していて、それと同時に自分も反射的に回避行動をとった、そして楕円は落下したが、そこには何も無かったと。
二人が見たものは、色や形、質感、速度、そして軌道まで一致しているので、きっと一つの同じ『何か』を目撃したことには間違いない。
それが何なのか、誰か俺に説明してくれ。

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