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深入山登山 & Camp


前例のない買い物

冬の積雪期しか登ったことのない深入山。以前からマニアB師匠と雪のない深入山にも登ってみたいと話していたが、いよいよ実現できる機会が訪れた。登山後には、深入山の近くの聖湖でキャンプする予定なので、まずは、マニアB師匠と買い出しを済ませる。
買い出しをしながら、マニアB師匠と「いつもワンパターンよね。」「何んか新しい料理って無いかね?」と会話しながら商品を眺めていた。すると前回、川尻岬でアヒージョを作ったマニアB師匠が「パエリア作ってみるか?」と言う。
そんなもの作れるんかなぁ?と思ったが、ネット情報によるとそう難しそうでもない。そして、サフランやエビ、パプリカなど、今までの買い出しでは決して手を出さなかったような食材や調味料を購入した。

登山開始

初心者船山を迎えに行き、3人で深入山へ向かった。
ちょうど昼頃に登山口に到着し、準備を整え、登山を開始。深入山には樹が殆ど生えておらず、草原のような山肌、高地の涼しい空気と蒼い空、そして白い雲が最高に清々しい。
まだ若く体力のある初心者船山がサクサクと先頭を登り、マニアB師匠と俺が辛そうに息を切らせながら一生懸命それに着いて行く。
実は、俺が辛いのには理由(言い訳)がある。皆んなが山頂でカップラーメンを食べれるよう、2リットルの水をザックに入れているばかりではなく、俺を除く2人が山頂で冷たいビールを飲めるよう、ビール2本を氷と一緒にザックに入れている。俺はドライバーなのでビールは飲めないにも関わらず、俺がザックに入れている。しかし辛くとも、山頂ではきっと2人が「ありがとう!」と喜んでくれるだろうから、それで辛さも吹き飛ぶだろう。

初心者船山が初心者である所以

深入山の標高は1,153mだが、登山口の標高が800m近くある。よって実際の標高差は350m程度であり、ネット情報によるとハイキングレベルらしい。
しかし、急な階段状の登山道が運動不足の体に応えるのだが、初心者船山はサクサクと登って行く。マニアB師匠と俺にとってハイペースだが、やはり年下の初心者船山に「待ってくれ」とか「休憩しようや」とかは言えないという誇りを持っている。
そしてマニアB師匠が口を開いた。
  • マニアB師匠「船山ちゃん、大丈夫?」
  • 初心者船山「え・・??全然大丈夫っすよ!」
  • マニアB師匠「無理せんでええんよ。」
  • 初心者船山「全然無理して無いっすよ!」
  • マニアB師匠「大体そう言うんよねぇ。初心者は。」
  • 初心者船山「そ、そうなんすか・・?」
  • マニアB師匠「そうなんよ。休憩した方がええんじゃないん?」
  • 初心者船山「は、はぁ。んじゃぁ、休憩・・したいっす・・。」
  • 俺「まぁ、初心者が言うならしゃーないなぁ。休憩にしてやりますか。」
  • マニアB師匠「そうやなぁ、初心者が言うならしゃーないなぁ。」
と、どこかで聞いたようなやり取りが繰り広げられる。マニアB師匠と俺の体力が劇的に向上しない限り、船山ちゃんは、一生、初心者扱いされ続けるだろう。
そして休憩を終え出発する時、初心者船山は我々に告げた。「俺がまた休憩したくなったら言ってください!」と。

マニアB師匠が改名

登りながらマニアB師匠は、最近の加齢による悩みを話し始めた。本人にとっては、人生において最も重要な課題だった。ただ、マニアB師匠は、悩んだまま立ち止まっている男では無い。常に対策を模索し、即座に行動に移す。今回の悩みの内容をここでは紹介できないことが残念であるが、その対策はサプリメントを摂取するというものだった。
マニアB師匠は、このサプリメントに、いや、このサプリメントの原料に対し無条件の絶大なる信頼を寄せ、大きな期待感を持っており、もはや、“信仰”の域に達しているかもしれない。
それが故に、自らの名前を改名するとまで言いだした。よって、この瞬間から、マニアB師匠は、マニアZn師匠となった。

山頂で乾杯!

そんなくだらない話に夢中になっていると、いつの間にか山頂が見えてきた。最後の力を振り絞り、山頂に到着する。
早速、Helinoxのチェアゼロに座り、キンキンに冷えたビールを2人に差し出した。
すると2人は、とても嬉しそうな顔で早速プルダブを起こし「カンパ〜イっ!」と言ってグビグビと乾いた喉に冷たいビールを流し込んだ。「っぷぁ〜〜。うめぇっ!最高っ!」と言って、幸せに浸りながら遠い目をしている。
ドライバーで飲めない俺は、とても悔しい思いでその姿を見ていた。しかしそれも2人が喜んでくれれば、それで良いし、“ありがとう!”と言ってもらえれば全ては報われる。
だがしかしである。2人はいつまでたっても、俺に対する感謝を口にしない。それだけではなく、申し訳なさも一切表現しない。それどころか、そこに俺の存在が無いかのように、2人だけで幸福感を共有して楽しんでいる。“て、てめぇら・・、お、覚えとけよ・・。”と、心に怨みを深く刻んだ。

下山

山頂では、昼食をとり、マニアZn師匠の淹れてくれた拘りのコーヒーを飲みながら、ゆっくりと景色を満喫した。
帰りは、少し遠回りだがなだらかな林間のコースで下山する。
途中、登山道脇の斜面に突き出た岩があった。その端の下は断崖で、落ちたらただでは済みそうにないが、見晴らしは最高に良い。恐る恐る端に近付き、景色を楽しんで、写真を撮った。以前、欄干を超え橋の下に落ちた初心者船山が落ちないかとヒヤヒヤしながら。
すると、初心者船山がやらかした!
断崖絶壁で、今にも落ちてしまいそうではあるが、ギリギリの所でピッケルを引っ掛け、断崖をよじ登ろうとしている      という感じの写真を平らな岩の上に寝そべって撮ってくれと言い始めた。こいつの人生も、嘘とまやかしが多い。
麓まで降りると、高い空の下で少しだけ色づき始めたモミジに、小さな秋を感じた。

聖湖キャンプ場

温泉に入って、聖湖キャンプ場へ向かう。人気の少ない寂しいキャンプ場だろうと思っていたが、到着すると人がごった返している。無料で環境が良いこともあって、広島県民に大人気のキャンプ場のようだ。
あまり空いた面がなく、どこでキャンプをするか迷っていたが、マニアZn師匠がとても良いポイントを発見してくれた。これで、俺はやっとビールにありつける。
ビールを飲みながら、テントを張ったり、椅子とテーブルを出したり、ハンモックを吊るしたりして、しばらく、ゆったりとした。

史上最高のパエリア

さて、いよいよパエリア作りに取り掛かる。料理長はマニアZn師匠だが、その料理長は、パエリアの作り方をネットで確認しながら、頭を抱えている。
頼りない料理長ではあるが、料理長の指示に従い、食材を切ったり、エビの皮を剥いて背ワタを取ったり、皆んなで協力して下ごしらえを済ませた。
続いて、フライパンに油を引いて米を炒める。透明になるまで炒めるらしいが、透明になったのか?油が付いて光っているだけなのか?よく分からないが、何となくのところで料理長が「もうええんじゃない?」と言って次の工程へ進む。
そして最後に、フライパンに蓋をして炊き上げるが、蓋がない。料理長がナイス?アイデアで皿を蓋にしたが、炊飯的な観点からは意味を成していないように見える。そう意見すると、料理長は「水足しゃぁええんよ。」と言うが、そんなもんだろうか?料理長の指示に従い、全部で規定の4倍くらいの水を加え、暫くした頃、いよいよ料理長が「そろそろええやろ!」と完成を宣言した。
見た目は完全にパエリアである。見た目のレベルは低くない。
そして、一口食べてみる。何と言うことでしょう!米の炊き加減も味も最高だ!激烈に美味い!その美味さは尋常ではない!俺の舌は確かな方と思っているが、俺の人生で過去に無いほどにまで美味いパエリアだ!もう、箸が止まらなくなってしまった。
料理長は、アヒージョも作ってくれ、食欲は十分に満たされた。日頃、酒を飲み始めると殆ど食い物を口にしない俺が、珍しく食った。

初心者船山のガスランタン

その後は、静かな森の中のキャンプ場を満喫しながら、ゆっくりと酒を飲む。
その雰囲気を最大限に盛り上げてくれたのは、初心者船山が新しく導入したガスランタンだった。やわらかく、暖かみのある小さな炎が、ゆらゆらと、やさしく、落ち着いた時間を照らす。
以前、初心者船山からこのランタンを購入するという話を聞いた際は、アウトドアグッズとは、必要最低限の汎用性の高い物を買うべきであるという考えから「そんなもん、いらんやろっ!」と一蹴してしまっていたが、謝らなければならない。
キャンプ場へは、夕方、早めに入ったはずだが、あっという間に夜は更けた。

超高カロリーモーニング

翌朝起きると、まずはゆっくりとコーヒーを飲んだ。この日は特に予定もなく急いで帰る必要もない。暫し朝の木漏れ日の中、ハンモックに身を預け、至福の時を過ごす。
そして、遅めの朝食を作り始める。
まずは、マニアZn師匠ご自慢のTHE NORTH FACE STANDARDの飯ごうで米を炊く。
炊き上がる頃に、クーラーボックスの中に残っている肉などを、皆のTRANGIA Storm Cooker総動員で焼いた。炊き上がった米は、ガーリックペーストを加え、オリーブオイルで炒める。焼いた牛肉、豚肉、ソーセージ、目玉焼きをトッピングすると、皿からこぼれ落ちそうなほどの超ボリューミーな“ガーリックライス 〜 各種たんぱく質を添えて”が出来上がった。ちゃんとコンソメスープも添えてある。
遅めの朝食であったことから空腹であり、調理中に漂っていた濃密な脂っぽい香りはその空腹をより駆り立てた。我々は出来上がった超高カロリーモーニングを本能のままに胃袋へ掻き込む。これまた、最高に旨い!いや、旨かった。最初は。
勢いに任せて頬張り続け、皿の上の超高カロリーモーニングが半分を超えた頃には、あまりにもの脂っこさにもう嫌気がさし始めていた。何でも程々が一番良い。頬張る勢いを落とすと、そのまま完食できなさそうだったので、勢いを止めることなく最後まで頑張った。
これが、この二日間の最後の思い出となった。


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