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ミッション達成

12月7日、日曜日、カヤックフィッシングをしに朝4時に萩を出発。前日までの断続的な雪がうっすらと残る山間部を抜け、マニアBと待ち合わせの山口市へ向かう。外気温は零下だ。

今年の春に始めたカヤックフィッシングだが、まさか寒さの厳しい12月に入ってまで海へ出ることは、当初想像していなかった。
しかし、この時期だからこそターゲットとなる魚種もいる。今、我々が狙っているのは、憧れの「ブリ」だ。釣れた時の爆発的な引き(らしい)と、脂ののった刺身はとても魅力的だ。カヤックフィッシングを始めた頃から、「どこでどう釣れば?」と常に目標として頭にあった。
どうやら室積海岸で「ブリ」が上がるらしいとの複数情報を得た我々は、最近、室積海岸へ通い詰めていて、今日で三週連続だ。先週末は砂浜に泊まり込んでまで頑張ったが今一歩の所で成果は上がっていない。
7時頃現地に到着し、「今日こそ釣れるに違いない」と心躍らせながら準備に取り掛かる。ブリに関しては今まで成果を上げることは出来ていない二人だが、とても前向きだ。何故前向きになれるのかは分からないが、きっと二人とも魚座のB型だからだろう。
釣り始めて間もなく、30m程離れていたマニアBが大声で何か言っている。よく見てみると、ロッドが大きくたわんでいる。"とうとうやったか⁉︎"と、ワクワクしながら急いでマニアBの元へ向かった。
しかし、近づいてみるとマニアBのテンションが落ちている。どうやら「ブリ」ではなかったようだ。
海面に上がってきた魚はヒラメだった。十分高級魚で美味しい魚だ。しかも70cmくらいある大型でそうそう釣れるものではない。が、マニアBは「ヒラメかぁ。」と肩を落としている。そう、今の我々には「ブリ」以外は「雑魚」である。雑魚に用はない。
気を取り直し、再び「ブリ」を狙う。
ところで、室積海岸でのブリ釣りは、ナブラを発見したら全速力で近づいてルアー(又はメタルジグ)を投げ込むか、魚群探知機で小魚の群れを探し、その小魚を食べにくるブリをメタルジグ(魚の形をした金属の疑似餌)で釣るか、我々の知識の範囲ではこの二択である。ブリは回遊魚であり一所に留まっていないため、勝負は一瞬だ。その一瞬をモノにできるか、できないか。これがブリ釣りの難しさである。
しかし、この日はいつも目撃する水深10m程度の位置のナブラ(小魚の群れがブリなどに追われて、海面にさざ波立てて逃げる様子)が少ない。小魚の群れもあまりいない。待てどもブリはやってこない。"いったいどこへ行っているのだ?"と思いながら、潮目沿いに深場を探索してみることにした。
沖へ向かいゆっくりと進み、水深が15m程度のところまで行くと魚群探知機に大きな小魚の群れが映った。"とりあえずメタルジグを落としてみるか。"と、何の気なしに糸を垂らした。
メタルジグが着底し、ゆっくりと二度しゃくった時、竿が一気に曲がった。竿先は海面に入るほど曲がっており、手元には今まで感じたことのない重量感が伝わってくる。すごい引きだ!"来たか?来たのか?「ブリ」なのか?"と、瞬間的には状況を把握できず、半信半疑のまま一気に興奮モードに突入した。
目の前の獲物を確実に得るため、高まる気持ちを抑えつつリールを巻く。だが、リールの糸は巻き取るどころかドラグ(一定の力がかかると糸切れを防ぐために逆回転して糸が出ていくリールの機構)がどんどん出ていく。そして魚が沖の方へ逃げようとして移動を始めると、カヤックも魚に引っ張られゆっくりと沖へ移動し始めた。なんてパワーだ!
"おぉ!すげー!ブリだ!ブリに違いない!こいつはブリだぁ~!"と確信を心で叫んだ俺は、この状況をマニアBに伝えたくなり、50mくらい離れていたマニアBを大声で呼んだ。ところが、どんなに大声で叫んでも大海原に吸収され、マニアBは全く反応してくれない。何度叫んでも声は届かなかった。寂しがり屋の俺は、このとてつもなく刺激的な瞬間に一人で向き合うことに戸惑いを覚えたが、仕方なく一人占めして楽しむことを心に決めた。
竿を握る右手は、力を込めておかないと竿ごと持って行かれそうだ。いや、今から考えると興奮のあまり力が入っていただけなのか?何れにしても、右手を何度も握りなおさなければ握力が持たない。リールを巻く左手は、魚の動きに合わせ無理のない程度に、そしてやや強引に回す。釣れた魚を逃さないように。
釣れてから5分を経過した頃、魚は随分とカヤックに近付いてきて、その背中が目視できた。海の色と同系色の背中からはまだ魚種を特定できないが、結構デカい。いいサイズだ。そして、魚が一瞬魚体の横をこちらに向けた時、憧れの「ブリ」であることが確信できた。そしてやっと「喜び」の感情が湧きあがってきた。
ギャフでカヤックに引き上げて、冷静を装いマニアBに電話をした。そしてマニアBは記念撮影をしてくれ、喜びも共感してくれた。
今年の春に始めたカヤックフィッシング。始める時に想い描いた姿に到達することができた。

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