マニアBとは、昨年、カヤックフィッシングとフライフィッシングで多くの週末を一緒に過ごした。そんな中、秋にカヤックフィッシングで室積海岸に泊まり込んだ時、マニアBが「俺バックカントリースノーボードやりたいんよね。」と言った事が始まりだった。
バックカントリーのフィールドは雪山であり、そこでは生命に関わる問題が発生することもある。なので、この世界に人を誘い入れることは難しい。責任は負えないのだ。よってバックカントリー友達はほとんどいないので、一人さみしく雪山へ向かうこともよくあった。しかし、マニアBのように自ら志願する命知らずは、ウェルカムだ!しかも、釣りでしょっちゅう顔を合わせるので、予定も立てやすい。
ところで、バックカントリースノーボードは、ご存知のとおりゲレンデではない自然のままの雪山を滑走して楽しむ。ネット上にはバックカントリーの動画等の情報もたくさんあり、その多くは、蒼く澄み渡る空の下に広がる人気のない大雪原でパウダースノーを撒き上げながら気持ち良さそうに滑走しているイメージである。
まず、登山だ。普通の登山ならまだしも、雪山登山は歩きにくく必要以上に体力を消耗する。その上スノーボード等も担がなければいけない。しかもある程度の標高を登らなければ、滑走が楽しめない。
次に最大の目的の滑走だが、基本的に自然のままの雪山はとても滑りにくい。アイスバーンだったり凸凹だったり、パウダースノーでも斜度が無ければ埋まったり、パウダースノーに隠れた凹凸に引っかかったり、重ねて登山で足腰は疲れてボードをコントロール出来ず転けまくったり、とても快適とは言えない状況の日が殆どだ。しかも登山にかかる時間と比較すると、滑走はほんの一瞬で麓に到達してしまう。そして何と言っても、リスクの大きさだ。プロの登山家でも雪崩で命を落としてしまう事がある様に、絶対に安心とは決して言えない。
よってマニアBがこの世界に入って来てくれる事は非常に嬉しいのだが、一度経験すると"もうイヤだ。"と思ってしまうのではないかという不安もあった。
マニアBは過去にスノーボードをやっていたので道具を一式揃っているが、バックカントリーに備え道具を揃え直すと言う。だが、買って後悔してもいけないので、一度行ってみてから考えることをお勧めした。
マニアBは過去にスノーボードをやっていたので道具を一式揃っているが、バックカントリーに備え道具を揃え直すと言う。だが、買って後悔してもいけないので、一度行ってみてから考えることをお勧めした。
その後のある日、マニアBは東京に出張していた。そしてマニアBから「YONEXのブーツを試し履きするためスノボのショップへ行ってくる」とメールが届いた。
流石はマニアB。将来バックカントリーにハマり、ネットで道具を買うにしてもブーツだけは足に合うか確認が必要だ。マニアBはB型にもかかわらず、マメなところがあるのだ。
そのメールから約1時間半後、YONEXのブーツに感動したマニアBから、「YONEXいいねー!」とメールが入った。そう、やっぱりバックカントリーにはYONEXだ!その良さをマニアBも共感してくれて俺は嬉しかった。
だがしかし、その10分後、「YONEXのブーツ買っちゃった。」というメールが入った。
なっ、何!しまった!マニアBがマニアであることを忘れていた!安くもない買い物で、バックカントリーが気に入らなかったらどうしよう!!そんな俺の不安を他所に、その後もマニアBはボードやビンディングにウェアと着々とグッズを揃えて行ったのだった。
そう、これがマニアBがマニアと呼ばれる所以である。Bなのは別に同様の人物Aがいるからだ。一度凝りだしたら、いや凝る前から徹底的にこだわる、中途半端は許さないのだ。
そんな事を経て、この日、マニアBの初バックカントリーを迎えた訳だ。当日は、若干雪は少ないものの、天気も良く、雪質も最高の状態で、初体験にはもってこいのコンディション。後は一日を終えて、マニアBがどんな感想を持つかだ!
これで、一人寂しくバックカントリーに行くようなことはもうないと思うが、一つだけ心配事がある。
それは、春はフライフィッシング、夏秋はカヤックフィッシング、冬はバックカントリーといつもマニアBと一緒だ。下手な恋人同士より会う機会は多い。しかもこれだけも価値観を共有している。気付いたら結婚してしまっているのでは...。と。
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