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大山登山

山陰線の車窓から
山陰線で鳥取県米子市へ向かった。
ほとんど客のいない一両編成の汽車に萩駅から乗車し、梅雨明けの青々とした夏らしい海岸線を走る。新鮮かつ贅沢な時間だ。

今回は職場の仲間3人で皆生温泉と大山登山ツアー。初日は皆生温泉でシュノーケリング&温泉で、二日目がメインの登山。

夕日を眺めるおっさん
フェーン現象で米子市は36.6度まで気温が上がった初日は、海で遊び、温泉に入り、夕方はベイサイドスクエア皆生ホテルの居酒屋で一杯。
ビーチ沿いの芝に置かれたちょっぴり南国風なお座敷で、美保湾越しの島根半島に沈む夕日を肴に、冷たい生ビール。
昼間の猛暑ぶりからは考えられないほど風も涼やかで、不快感はゼロ。

おっさん3人であること以外は、ストレスフリーな一日だった。
お好み焼屋で軽く二次会を済ませ、翌日の登山に備え就寝。

今回のメンバーは、山をこよなく愛する山岳部の「山田リーダー」と、体育会系とは縁遠い帰宅部の「クヌギちゃん」。当然ながら山田リーダーは体力十分で、クヌギちゃんも長距離を走らせると俺より早い。
一方で、足腰は鍛えず筋肉と脂肪で上半身のウェートが増えた俺は、登山が好きだが苦手である。
二人に置いて行かれてかっこ悪いことになるかもしれないと思い、最初に言い訳をすべく、大山登山を不安がるクヌギちゃんに「俺に比べれば問題ない。」と言っても、見た目で信じてくれない。

登山口で準備運動
夜が明け、始発のバスで大山寺まで移動した。
今日の天気予報では雨マークも付いていて微妙な天候。
今回のルートは「夏山登山コース」で登り、帰りは「行者谷」経由で大山寺へ下りる。山頂の標高は1,710.6mで登山口の標高が780m。その差約930mの登山だ。
準備運動を済ませ、登山を開始した。さぁ、1,710mからの大パノラマを満喫しよう。

一木一石運動(始)
登山口から200m程度進んだところに手頃なサイズの石が積み重ねてある。
傍に設置された看板には「一木一石運動」と書かれているが意味が分からない。
山田リーダーの説明によると、結論から言えば「山頂へ石を持っていけ」ということである。
当然のごとく山田リーダーはリュックに石を入れ始めた。それを見たクヌギちゃんも石を入れた。
そうでなくともかっこ悪いことになりそうな俺は、より負荷をかけたくはなかったが、ここで石を入れないこと自体がかっこ悪いと思い、二人に見つからないように小さめの石を選んで入れた。

登山階段
登山道はよく整備されていて、階段の連続だった。よって歩幅を選べない。小さなスクワットを何度も何度もやっているようなもので、ぬるま湯に浸かっていた俺の脚は直ぐに悲鳴をあげ始め、二人のペースに付いて行けなくなってきた。
幸い、俺はカメラ係を買って出ていたので”写真を撮ってたから遅れてます”風な感じでいくことに決めた。これならそんなにかっこ悪くない。

とは言え、息も切れるので山田リーダーは時々休憩を挟んでくれた。休憩すると悲鳴をあげている脚もいくらかは回復するので、なんとなくごまかせて、かっこ悪さも和らぐ感じがする。
だが、山頂が近付くにつれて、必要とされる休憩の回数は増えていきそうな気がしていた。何とか対策を打たねば俺のために何度も足止めをお願いすることになり、すこぶるかっこ悪いではないか。

そんな時、四合目の休憩の時だっただろうか?クヌギちゃんが「後頭部が痛い。」と訴えた。状況を聞くと、特に登山によるものではないらしく、大して問題も無いようではある。
しかし、これを逃す手はない。クヌギちゃんを気遣うふりをして、何度も休憩をとらせればよいのだ!「無理すんな。休憩した方がいい。」とか言って俺も休憩すれば何とかイケる。

雲が覆い始めた山頂付近
さて、八合目に到着した頃のことだ。山田リーダーが「山頂がガスり始めた。」と。雲行きもやや怪しかったが、いよいよ来た。このままガスが晴れなければ山頂からの大パノラマも幻となってしまう。

八合目から望む米子方面
念のため、眼下の景色をカメラに収めた。

米子から島根半島に向けて、綺麗な弧を描く弓ヶ浜が特徴的である。できることなら山頂から拝みたい。

奇跡的にガスが晴れることを期待しながら山頂へ向かった。

この頃にはクヌギちゃんを気遣うも「大丈夫です。」と軽く返答され、脚もかなりヤバくなり始め、山田リーダーが「てっちゃーん。大丈夫か?」と俺に声をかけ始めた。これに対し俺に出来ることは「全く問題ないっす!」と力強く、そして虚しく答えることだけだった。

ダイセンキャラボクの林
八合目付近から、丈の低い高山植物となり、”いよいよ標高が高くなってきた”という感じがする。
群生しているのは「ダイセンキャラボク」といって天然記念物で、鳥取県の県木でもあるらしい。

登山道はダイセンキャラボクの中を通って行く。場所によっては枝が張り出し、腕に傷ができたり、リュックサックに引っ掛かったりして案外歩きにくい。

山頂付近のガス
山頂へ近付いて行くと、やっぱり、ガスっている。周りの景色も見通しが利かないので、どの辺りにいるのかも分かりにくい。淡々と歩いていると、突然、ガスの向こうに山頂の避難小屋が見えてきた。
「あれ?山頂か。」とあまり感動もなく、その時を迎えてしまった。

一木一石運動(終)
避難小屋の脇には、「一木一石運動」の石置き場があり、ここに持って上がった石を置いた。
登山ブームで踏み荒らされた山頂付近は、緑がなくなり、雨で浸食された。その補修にこの石が使われるらしい。
ちなみに、てっぺんハゲだった大山も現在では随分と緑化が進んだようである。

登頂
避難小屋から100m程度進めばそこが山頂だった。山頂から景色を眺めることは登山にとって大切な儀式だ。心の準備はできていたものの、山頂から景色が見れないのはやはり寂しい。
昼飯を喰いながらガスが晴れることを祈ったが、逆にガスに雨粒が混じり始めてしまう始末だ。

やむを得ず下山を開始。

下りも想像以上に脚に負担があり、最終的には自分自身のバランスを保つこともままならないほどヤバい状態となってしまった。
言うまでもなく、翌日は脚全体が筋肉痛に。

かっこ悪いだけでなく山頂からの展望も味わえず、加えておっさん3人と前日とは対照的にストレスフルな一日だった。
足腰を鍛えなおさねば。



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