週間天気予報では、週末、晴れて気温も上がる予報となっていた。満開の桜が咲く湖畔で、春のポカポカ陽気の中、まったりと過ごしつつ釣りをする、そんな考えるだけで幸せになれる予定を立てた。
当日、集合時間に間に合うよう、起床した。いつもの静かな週末の朝ではあるが、やや外が暗く、遠くから雷鳴が響いてくる。晴れるはずだが、一体どうしたことかと天気予報を見てみると、曇りに変わっている。日本上空には、寒気と暖気がそれぞれ北と南から流れ込んでいるらしい。嫌な予感がする。家を出た途端、雨が降り始めた。
今日は、昨年末に冷たい風雨に晒されながら忘年会を催した島地川ダムで、花見を兼ね、サツキマスやレインボートラウトを釣る予定である。山口市のBIGでマニアB師匠と待ち合わせ、2人で買出しを済ませ、島地川ダムへ向かう。現地では既にアッキーラが花見と釣りを快適に楽しめるベストポイントを確保してくれている。移動の間、大粒の雨が降り続き、時折、薄暗い空に稲光が見えた。
しかし、現地に到着すると、ちょうど雨も上がり、空には青空も覗き始めた。だが、安心は出来ない。4月に入って以降、毎週末のように天気予報は外れ、不安定で気まぐれな空模様に毎回悩まされていた。今日はそれに備え、マニアB師匠がタープを持って来てくれている。
まず、雨の上がっている隙に、そそくさと湖畔にタープを張った。タープを張り終えると、アッキーラがコーヒーを淹れてくれたので、ゆっくりと一息つく。そうしている間に、すっかり空は明るくなり、暖かな陽が射し始めた。早速、陽気の元、チェアに身を預け、優雅に釣りを始めた。静かな湖畔で、ルアーを投げながら他愛もない会話をする。とても心地よい。朝の雷雨は嘘のように、予定どおりの時間を過ごせている。天候の不安定さについて、心配し過ぎていたのかもしれない。
楽しく幸せな時間は経過が早い。気付くと、釣果もないまま昼飯時となった。パスタを茹で、カルボナーラと明太パスタを作り、肉を焼いて食べた。美味い!毎回のことではあるが、自然の中で喰う飯は美味い!満たされた腹と心の余韻と共に、食後のコーヒーを飲んだ。
そうしていると、ポツリ、ポツリと雨が降り始めた。まぁ、そのうち雨も上がるだろうと思いながら、ゆっくりとコーヒーを楽しむ。しかし雨は止まず、段々と強くなってくる。皆で、タープを張って正解だったと会話をしながら、雨宿りの時間を使って調理器具の片付けを始めた。
雨は止むどころか、どんどんと激しさを増して来た。雨粒も大きくなり、見る見る間にタープに水が溜まってきた。やがてその雨水は溢れ、地面へ流れ落ち続ける。アッキーラはそれを水道のように活用し、調理器具を洗っている。
午前中は、半袖で過ごせるほど気持ちのよい陽気であったが、今はフリースを羽織っても寒気を感じる程の冷たい風が吹いている。
激しい雨は降り続き、雷も鳴り続ける。そしてとうとう雹まで降り始めた。マニアB師匠もアッキーラも、勿論俺も、あの寒かった忘年会を思い出していた。あまりに激しく、雹まで降らせる雷雨に危険を感じ、一時、車へ退避する。
車へ退避し、10分程度経過した時、徐々に雲の切れ間に青空が覗き始め、約一時間続いた雷雨は、何事も無かったように終息を迎え、再び柔らかな陽が射し始めた。
また何時雨が降り始めるかも分からない。この隙にタープをはじめとする全ての道具を片付け、いつでも帰られる準備を整え、やっと釣りを再開したのだが、間も無く降り始めた雨に心を折られ、この日の花見を兼ねた釣りは、何の釣果もないままに終わった。
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