秋吉台の山焼き
秋吉台のカルスト台地と言えば、緑の草原に白い石灰石が点在する景色が有名だが、毎年2月に行われる山焼きにより、その景色は維持されている。現在は、景観の維持を主目的として山焼きを行っているのだろうが、昔は、農業や畜産を目的とした採草地として利用していたようであり、その頃から、600年以上も脈々と続いている行事らしい。
その行事も1,000人を超えるボランティアの手によって成り立っているとのことであり、少子高齢化の折、継続性を心配してしまう。
そんな山焼きだが、今回、菅原さんから桂木山の頂上から眺めようと誘われた。
秋吉台の山焼きは、一度も見に行ったことが無かったので、良い機会だ。
桂木山
桂木山麓緑地自然公園村キャンプ場の駐車場に集合し、登山を開始する。この地点の標高が268mで、山頂は702m。標高差は434m。
まずは、渓流沿いに、杉林の谷を登る。
渓流には、小さな滝があったりするが、倒木が横たわっていたりして、見た目に美しくはない。
標高500m付近からは尾根を少し歩き、最後に急登坂を熟せば、山頂に到着できた。
山頂からの展望
山頂に到着すると、既に数名の登山者が山焼きを眺めていた。桂木山は秋吉台の北側に位置しており、山頂から南を望めば、煙を雲まで上げて威勢よく燃えるカルスト台地が一望できる。
既に焼けた黒い面は、オレンジ色の炎のラインを最前線に、じわりじわりと枯れた茶色い草を飲み込んでいく。
山頂の北側には、日本海が望め、青見島や相島も確認できる。
それらの景色をカメラに収めたりしながら、しばし楽しむ。
昼飯
いくら山焼きとは言え、延々と眺め続けられるものでもなく、早々にイスとテーブルを出して、コーヒーを飲む。暖冬の折、暖かな日差しが気持ちよく、景気も申し分ない。のんびりと過ごすには最高の環境である。
そうしていると、次々と登山者が山頂に到着する。山焼きに合わせて桂木山に登るという小さな流行が存在するようだ。
そして、それぞれラーメンを茹でたり、米を炊いたりして昼飯を食うと、満腹でポカポカで、もう動く気にならなくなった。
滞留
賑わっていた山頂も、徐々に人が少なくなる。されど、我々は動かない。
春のような日差しの中、イスに身を預け脚を投げ出し、コーヒーを片手に、生産性のない会話を楽しむ。
そして、山頂には誰も居なくなってからしばらくすると、やっと諦めが付き、山頂を後にした。
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