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渓流 de ランチ

梅雨も明け、夏本番。あまりに暑くてカヤックで海原へ出る勇気がない。
こんな時にこそ、渓流へ行って避暑しなければ!と、マニアB師匠とフライ・フィッシングに行った。ただし、釣りはそこそこにして、ゆっくり涼む目的で。
渓流に入ると、ウェーダー越しに清流の冷たさが、腿から下の熱を一気に奪い去ってくれる。あまりの気持ちよさに、魂は抜け、ずっとその場から動きたくなくなってしまい、釣りなどどうでもよくなってしまう。
マニアB師匠も俺もヤマメを一匹ず釣ったところで、ランチタイムがやってきた。清流に素足を漬け、椅子に座り、「あーっ、気持ちえぇ。」「気持ちえぇぇ~。」と二人で繰り返す。“下界は暑いのだろうなぁ。”と思いながら、至福の時間を噛み締めた。
いつものフライ・フィッシングであれば、川の水を沸かして、カップ麺とおにぎりを食べる。釣りをする時間を確保するために、昼食は手っ取り早く済ませたいのだ。だが、今日は違う。涼しく気持ちのよい、至福の時代を過ごす事が主目的なので、コンビニでそれに相応しい素敵な献立をマニアB師匠と必死に考えた。
その献立は、清流で冷やしたビールに、ペッパーシンケンサラダ、TRANGIAで調理したカルボナーラ、そして同じくTRANGIAで焼いたクロワッサンと塩パン。クロワッサンはザックの中でぺったんこに潰れてしまっていたものの、Wild Life史上、最もオシャレなランチであり、まるでバルコニーのあるCafeでOLが食べるようなランチメニューである。
もちろん味は最高で、“あぁ、このままここに留まりたい。あの暑い下界には帰りたくない。”と心の底から思ったのだ。そして、実際に下界に戻ったのかどうか、その真相は闇の中である。

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