当日、現地に集合して「何作る?」「機関車トーマスは?」「キャラクターものは審査員受けが良くないらしいよ。」「仁王像でも作るか?」「それ大変やろ!」「じゃぁ、モアイにするか?」「あ、それえーね。」てな具合に作品テーマは決まった。
漢塾の場合はだいたいこんな感じなので、色々なイベントに参加しても、上位入賞することはない。ただし、いつもそれなりには一生懸命頑張ってはいるのだが、中々結果は残せず悔しい思いばかりしている。
さて、ご存知のとおり、モアイ像は縦長だ。なので、とりあえず上へ上へと砂を積み上げていく。昨年も縦長の萩反射炉を作成し、完了間際に崩れてしまったため、今年はその反省を踏まえ、砂に海水をたっぷり含ませカッチカッチに固めながら積み上げる。作成時間は8時45分から13時00分までの4時間15分だが、そのうち3時間程度は、ひたすら砂を積み上げて固める作業を続ける。重労働だ。
そして残りの時間で形を整えていくのだが、大雑把にはスコップで砂を削れば良い。しかし細かな作業はそれなりの道具があった方が作業もしやすく、仕上がりも美しくなる。そこで活躍する道具は、今回、“シンさん”が今日のために自作したコテである。コテだけではない。シンさんは、砂を固めるための道具も自作してきてくれていた。サンドアートの要は、砂を固める事と造形であるが、シンさんの道具はその要のクォリティをレベルアップさせてくれた。
道具のおかげで、作業はスムーズに進み、時間に余裕を持ってモアイ像は完成した。しかも、思い付きで作った割にはそこそこ良い仕上がりである。
このイベントでは審査員の審査により、上位3チームが表彰される。毎回の事であるが、我々の作品はそれなりにクォリティが高い。だが審査員のハートに届かない。何故だか届かない。きっと審査基準はクォリティだけではなく、テーマ性や芸術性などもあり、その部分が足りていないのだろうと理解している。
その観点から考えて、今回のモアイ像はどうだろうか?やはりテーマ性や芸術性など、何もない。ただの写実である。写実にしても、若干難がある。そう考えていた時、審査員達ががモアイ像を審査しに来た。我々の代表者は審査員達に一生懸命アピールしていた。「とにかくカッチカチに固めました。」と。全く何も補えていない。
結果発表の時間が来た。第3位から発表される。そして第2位。この間、我々が呼ばれる事は無かった。毎年の事で慣れてはいるが、恒例行事として「えっ!もしかして優勝?」と言う。
そして第1位の発表だが、何と「漢塾」とコールされた!まさかの第1位であり、先ずは戸惑ってしまった。想定外の優勝に調子が狂ってしまったが、皆んなで表彰を受けた。賞金の3万円や、東京一泊旅行などの副賞も貰った。
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