独身貴族
初心者船山は、金にモノを言わせて欲望を満たす特性がある。
しかし、その行動は有益である。
元々映画好きの初心者船山だが、ある時から、プロジェクタに興味を持ち始め、屋外で映画を見る前提での道具についてネットで情報をあさり始めた。
かと思えば、もう手元に一式が揃ったと報告があった。
俺も映画は嫌いではない。
祭りの前
買い出しを済ませ、ビールを飲みながら会場準備を進める。
木陰にスクリーンとハンモック、テーブルや敷物をレイアウトしていく。
ふと、今夜始まる映画観賞会に胸を躍らせる自分に気づく。
まるで祭りの前であり、こんな気持ちになったのはいつ以来だろうか?
上映開始
ハリウッド全盛期とともに成長した我々は、映画と言えばアメリカであり、アメリカと言えばバドワイザーとハンバーガーである。
パンやハンバーグを焼き、ポテトやチキンナゲットを揚げ、準備完了である。
さぁ、上映開始だ!
最上級シネマ
大好きなアウトドアで、ハンモックに揺られながら、ビールとハンバーガーを手に、映画を見る。
こんなに環境の良いシネマは初めてだ。
未だにワクワクが止まらない。
マニアZn師匠やアッキーラも目を輝かせて敷物に座って映画を見ているが、まるで町内会の催しに参加した子供たちの様である。
遅れて来たマニアAの悲劇
最初は「ボヘミアン・ラプソディ」が上映された。
皆は既に映画館で観たものだが、名作であり、何度でも観たいと敢えてリクエストした。
なので、どっぷりと映画に引き込まれる。
そんな中、遅れてマニアAが登場した。
登場したが、皆、映画に引き込まれていて、誰もマニアAの相手をしない。
寂しそうなマニアAは、色々と皆に話しかけてみるが、誰も応えない。
あまりにも哀れに思い、俺は、マニアAの会話に付き合った。やむを得ず。
しかし、やはり俺も意識の中心はスクリーンに向かっていて、気もそぞろだったのだろう。マニアAは俺との会話を諦め、マニアZn師匠やアッキーラの近くへ場所を移動し、ハンモックに身を預け「あー、このハンモック気持ちええねぇ。」とか言ってみるが、やっぱり誰も反応しない。
マニアAは、諦めて映画を見ていた。
そして、この日マニアAは、家に帰らなければならない。
しばらく映画を見て、マニアAは帰って行った。
折角来たのに、誰からもろくに相手してもらえず、車へと乗り込むその背中は哀愁を帯びていた。
まったりとした午前中
朝起き、しばらくゆったりすると、まず、ポップコーンを作ってみた。
映画と言えばポップコーンと用意はしていたが、昨夜は、さすがに映画を見始めると、ポップコーンを作ることが面倒になったのだった。
マニアZn師匠が、メスティンにオリーブオイルとポップコーンの元を入れ、炒める。
期待どおりの弾ける音が、小気味良く、不規則に鳴る。何故か、大人でも嬉しくなる。
そして、作り立てのポップコーンは、すこぶる旨かった。
その後は、恒例のハイカロリーなMEGA朝食を作って食べ、再び心行くまでまったりと時間を過ごす。
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