マニアZn師匠の脱フライフィッシング
マニアZn師匠には、フライロッドを振ることのできない事情があるらしい。どうやら加齢に伴う肩の問題が発生しているようである。
我々の渓流釣りと言えばフライフィッシングが慣用手段ではあったが、マニアZn師匠は、とうとうフライロッドを置いた。
そして、肩に負担の少ない、スピニングリールを入手した。
そのスピニングリールもABU cardinal 33の復刻版で、購入と同時にカスタマイズまで済ませている。
それをSAGEのロッドに装着し、フライからスピニングへシステム変更した初日から、もう往年のスピニング・ルアーマンの様である。
釣れない本流
初夏の渓流をウェット・ウェーディングで上流へ釣り上がる。
程よく体の熱を奪う冷たい水が気持ち良い。透き通る水も視覚的な涼を与えてくれる。
そんな快適な環境だが、魚の方は、フライには一向に反応してくれない。
さすがにスピニングリールは手返しが良く、フライフィッシングと比較すると効率に雲泥の差があり、色々な個所を色々な深さで素早く探ることが出来るのだが、マニアZn師匠のルアーにも一向に反応してくれない。
いつものことではあるが、どうも本流では、源流ほど釣れない。昔はもう少し釣れていた気がするのだが。
執念の一本
谷間の午後は早く暮れる。
朝から釣り続け、未だ一本も成果が上がっていない。
こうなってくると、飽きやすい俺は集中力も落ち、向かい風に押し返されるフライラインにイラつき始める。
しかし、マニアZn師匠はそうではない。
常に獲物を得ることに貪欲であり、目的を達成する努力を惜しまない。
ただ良い道具を揃えて喜んでいるだけではないのだ。
そして、マニアZn師匠は、このハードな状況の中とうとう成果を上げる。
ルアーとフライの優劣
源流では、ルアーよりフライの方が優位に思えるが、渓流の本流釣りでは、ルアーに軍配が上がるような気がする。
しかし、本流釣りでフライが劣るという事は認めたくはない。
フライロッドを投げ捨て、安易に、しかも急にスピニングリールの達人のような道具を手にする人もどうかと思う。
ここで、マニアZn師匠に負けるわけにはいかない。
俺も真剣に本流と向き合うことにした。
この日も、俺は大好きなエルクヘアカディスを使っていた。何度か魚がアタックしてきたが、フックすることは無かった。この状況で成果を得ようと、クリップルダンに切り替える選択をした。ただ、いくら状況が悪いとは言え、ドライフライという選択肢は捨てられない。
そこからしばらく頑張っていると、とうとう俺も成果を上げることが出来た。
しかし、釣り上げた魚は、ヤマメの稚魚と呼んでよいほどのサイズ。マニアZn師匠が使っているルアーとさほど変わらない大きさ。
やっぱり本流は釣れない?
その後もマニアZn師匠は、もう一本良いサイズのヤマメを釣り上げた。
スピニングリールとルアーの勝利だ。認めざるを得ない。
しかし、源流と比較した場合、やはり本流は釣れない印象である。
川から上がり、車道を歩いて戻っていると、自動車で通りがかった地元のおじさんが「釣れたか?」と声をかけてきた。
「いやぁ~。釣れませんね。」と答えると、近年は釣り人が多く川に入るので、魚の警戒心が非常に強く、魚は居るが釣れないと教えてくれた。
続けて、夕暮れ時には大型のヤマメが沢山釣れるという情報を提供してくれた。そしてそのポイントや釣り方までも。
その内容は、今までの渓流釣りのイメージを覆すもので衝撃的であったが、是非、チャレンジしてみたい。
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