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Go To 大津島

本能の欲求

数十万年前から、人類は移動を繰り返し、その土地に順応することで遺伝子を多様化させながら、種の保存の可能性を高めてきた。
これは、戦略性のある能動的な行動ではなく、単に本能の赴く結果に過ぎない。
その本能からの指令には、コロナ禍であっても背くことはできない。
未知なる離島へ旅に出ることにした。

行き先の選択

そうは言っても、県境を跨ぐことには世論上の抵抗を感じるので、山口県内でまだ訪問したことのない離島の中から選択する。
外海の離島であるほど景色はダイナミックで旅の満足度は上がるが、日本海側の離島は行きつくしているため、瀬戸内海側の離島から選ばざるを得ない。
最初に候補に挙がったのは、柳井市の平群島だが、どうやら島外からの訪問はお断りらしい。
その結果、周南市の大津島へ行ってみることにした。日程は2泊3日だ。

乗船

朝、倉光っちゃんと初心者船山とが徳山港に集合し、島内の移動手段としての自転車と共に乗船する。
大津島はどんな島で、どんな楽しい体験を我々にもたらすのかと、ワクワクしてしまう。
30分ほどで到着し、早速、自転車で東方面の探索に向かった。

馬島

マップから、馬島の外周に自動車では通ることのできない道があることが確認できる。
まずは、そこを周遊する。
途中から道は、落ち葉の堆積した山道と化し、ロードバイクでは厳しい路面状況であった。
大津島の東端に位置する場所は、小高い位置で、洲島を眺めることができ、心を和ませる。
しかし、ここにはそれ以上のものはなかった。
だが、大津島の探検は始まったばかりであり、探索した面積で言えば、まだ10%程度。まだまだ、これからである。

回天訓練基地跡

その後は、トンネルをくぐり、海上に突き出た回天訓練基地跡に向かう。
ターコイズグリーンの透明度の高い海が印象的ではあるが、それ以上ではない。

回天記念館

訓練基地の裏にある山を少し登ったところに回天記念館がある。
ついでにそこへも行ってみると、特攻兵器回天のレプリカが設置してあったが、記念館に入ってみようとは思わなかった。

展望台

そのまま、標高163mの展望台へも登ってみる。
景色は良いが、極端に良いわけではない。
この時点でちょうど正午となったので、昼飯を食う。

主目的

さて、大きな期待を胸に大津島に渡ったのだが、ここまで、わざわざこの島に来た意味を見いだせてはいない。
しかし、昼間っから、時間の流れを忘れるような離島で、静かな海を眺めながら、冷たいビールを飲めば、どんなに素晴らしいだろうか?
そう、それがメインの目的と言っても過言ではない。
冷たいビールが売られている商店又は自動販売機を求めて島内を移動する。

ビールを求めて

どうやら、馬島周辺にビールを購入できる場所はなさそうだ。
ここから、北西へと続く島内を移動しながら、冷たいビールを探す。
北西へ向かい次の集落へ急ぐ。
ソフトドリンクの自動販売機はあったが、どうやらビールを購入することのできる商店や自動販売機はなさそうだ。
そしてまた次の集落へ向かう。
そこでもビールは手に入りそうにないので、再び移動する。
気付くと、島の反対側の突端にたどり着いていた。
まさか、この島で冷たいビールを手に入れることはできないのか?

最後の望み

とりあえず、緊急会議を開催した。
こうなれば、もう一度馬島周辺に戻って再確認するしかない。これが結論である。
Google Maps では、馬島港付近に、商店がある。しかも酒店との表示がある。
それに、その付近には一軒だけ食堂があったので、そこでも入手が可能かもしれない。
ここまでくると、もうすでにビールを飲まなければ気持ちは収まらない状況となっている。
馬島へ急いだ。

パンク

その途上、倉光っちゃんの自転車がパンクしてしまった。
この時点で14:30。もし、商店でビールを入手できなかった場合、確か食堂は閉店時間が早かったので、ここでタイムロスをしてはならない。
だが、パンクを修理しなければ前へ進むことは出来ない。
そこで、初心者船山が単独で商店と食堂の確認に向かってくれた。

絶望

しかし、初心者船山からの報告は、マップ上の商店の場所はただの民家であり、食堂では親切に対応していただいたが、結果的にビールは無かった。そして馬島港のスタッフに確認したところ、島内でビールを買える場所はないと、最後通告を受けたという内容だった。
もう、この島で、何を楽しみに時間を過ごせばよいのか、分からなくなった。

宴会

周南市の本土に帰り、酒を飲むという案もなかった訳ではないが、さすがに重い荷物を背負ってこの島に渡り、一泊もせずに帰るわけにはいかない。
何はともあれ、回天訓練基地跡の見える海岸で、一夜を明かすことにした。
持参した酒は、倉光っちゃんがワインボトルを1本。俺が小さなバーボンを2本。以上である。3人で飲むには、量として心許ない。
初心者船山は、島で入手できることを信じて、何も持って来ていない。
自動販売機で冷たい炭酸系のソフトドリンクを購入し、ビールの代わりにハイボールで乾杯したが、ビールを飲みたい口は、ハイボールでは満足しない。

マジックアワー

海風を感じながら、酒を飲む。
薄暮の瀬戸内海は夕焼けの空を映し、鮮やかなピンク色に回天訓練基地跡を黒く際立たせる。
大津島に来て初めて幸せな気持ちになれたが、俺の片手にビールがない事がやはり悔やまれる。
酒を飲みながら、3人で、もう、この島に留まる理由がないことを確認した。
2泊など、とても間が持たない。

イノシシ

事前に島民から、巨大なイノシシが集落に現れるという話は聞いていた。
テントに入って間もなく、スマホを弄っている時だったが、テント付近をブヒブヒ言いながら重量感のある動物が歩く気配があった。
イノシシがテントを襲うという話は聞いたことがないので、それほど心配もしなかったが、気持ちの良いものではない。
しばらくテントの周囲を探索したその気配は、じきに遠ざかって行った。

新たな旅立ち

朝起き、朝食を食べ、テントを片付けて、最初の便の船に乗り込む。
もう、この島に一切の未練はない。
倉光っちゃんは、そのまま、一人で愛媛県に飲みに行くらしい。変わった男だ。
俺と初心者船山は、マニアZn師匠を誘って、秋穂でキャンプしなおすことにした。


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