遅いポイント入り
誰か他の釣り人か来ていれば別のポイントへ行く予定だったが、スーパー・ゴールデン・ウィークの初日にも関わらず、幸い、まだ誰も来ていなかった。
里では時折、強風が吹いており、風はキャスティングの邪魔となるので不安に思っていたが、この谷間は風裏になっているのだろう。無風の穏やかな渓相であった。
状況は渋い
しかし、ゴールデン・ウィークではあるものの、日本上空には数日前から寒気が流れ込み、肌寒く不安定な天候である。
あまり釣れそうな気はしないが、その感覚に全く反しない渋い状況だ。渓流を釣り上がって行くが、何の反応もない。
気分転換
いつも来るホーム渓流だが、毎回、足を踏み入れない区間がある。ロープを使って急な斜面を降りなければ行けないし、行っても滝の岩場に阻まれて進むのが危険だったりするので、今まで、一度しか行ったことがない。しかも、その時も途中で進むことを断念した。
魚が釣れる気がしないので、気分転換にそこへ行ってみることにした。
そんなに怖がるマニアAだが、実は、この区間を最初に開拓したのはマニアAである。しかも、その開拓時には一人で行動している。そのマニアAからここに降りて先へ進めると聞いて、俺もチャレンジしたことがあるという経緯だ。
その時、俺は危険性を感じ途中で進むことを断念したが、マニアAは最後まで踏破している。
この人はかなりのビビリだが、時々釣欲が勝り、信じられない行動をする不思議な人なのだ。
先行するマニアA
この滝を越えて先に進みたいが、登るべき岩の壁には、足を掛ける十分な場所がなく、ちょっと失敗すると滝壺に落ちてしまいそうだ。
実は、俺は前回、ここで断念してしまった。
しかし、マニアAは、過去にこれを越えている。その経験から、マニアAが珍しく率先して進み、ルートを示してくれた。
初めて見る光景に驚きを隠せず、目の前で起きているこの現象をすぐには飲み込み難い状況であり、現実なのか幻なのかの分別すらつかない。
滝を越えたマニアAは、どや顔で誇らしげだった。
タイミング
魚が釣れないので、マニアAは「俺らはたまたまロッドを持ってはいるが、渓流にアウトドアを楽しみに来ただけや。釣りがメインではない。」と言って、自分を慰める。
昼食を終え、再びロッドを振り始めると、岩陰で小さなゴギが喰い付いてきた。
そして間もなく、マニアAが、良型のゴギを一本釣った。
気温や水温、水量等、そして前日又はその前日からのその状況等、あらゆる条件が加味されて、魚の活性が上がる時、そうでない時があるのだろうが、それは中々掴めない。
だが、一瞬ではあったが、刺激的で楽しい時間を過ごさせてもらった。
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