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一位ヶ岳 登山

椎ノ木ルート

長門市と下関市の境界に山頂がある標高672mの一位ヶ岳は、長門市側からは、椎ノ木ルートと花瀬ルートがあり、椎ノ木ルートは2.8kmで、花瀬ルートは6.6kmの距離である。
花瀬ルートの往復では13kmも歩くことになり、体力に自信はないはずのマニアAには問題がありそうなので、迷わず椎ノ木ルートのピストンを選択。

登山開始

俵山から北上し、河内神社に車を停め、渓流沿いの登山道を登り始める。
渓流の水は綺麗なのだが、おそらくヤマメやイワナは棲み付いていないだろう。しかし、放流すれば生きていけそうな気もする。
マニアAも渓流は大好きなので、二人で流れを見ながら、フライを落とす位置をシミュレーションして楽しむ。

面白味のない登山道

登山口の標高は202mなので、標高差は470m。
渓流の水量は少なくなり、延々と面白みのない谷沿いを登る。
体力に自信がないはずのマニアAだが、無性に膨らんでいるザックが気になる。
体力が無ければ、どうやって荷物を少なくするかを考えるはずだが、考えた形跡は見当たらない。

最後の急登坂

一旦、尾根まで出ると、尾根沿いに左へ曲がり、ここから約300mほど山頂へ向け急な坂道が続く。
間で休みをとり息を整えながら、一歩一歩登っていくと、突然視界が開け、空と山頂が見えた。

山頂

山頂に到着すると、360度の大パノラマに包まれる。
ネットで事前に情報を得てはいたが、写真で見ることと、現地で見ることでは、その感動に雲泥の差がある。
遠方には多少霞がかっているが、俵山の集落はもちろん、長門市内や日本海、山陽側の工業地帯や瀬戸内海まで見える。スッキリ晴れた日なら、どれだけの眺望があるのだろう。
マニアAと、その感動を一生懸命カメラに収めるが、寒風が吹きさらす山頂には長居はできない。そもそも、この日は、風が強いのでカヤックフィッシングの予定を登山に変更したくらいである。
暖かな時期の天気の穏やかな日にここに来て、山頂にイスを置いてくつろげば、きっと爽快だろう。

昼食

山頂から少し下った茂みで風から逃れ、昼食にする。
まずは湯を沸かし、暖かいコーヒーを飲みながら、メスティンでコメを炊く。
マニアAを見ていると、ザックの中から色々なものが出てくる。
まず、山頂を温かく過ごすための厚手の上着やパンツを出して着ると、Helinoxのイスを出して座る。。
続いて、スノーピークのミニテーブルを出し、メスティンでは、エスビット・ポケットストーブで米を炊き、別に熱効率の良い湯沸かし器をアルコールバーナー使って湯を沸かす。アルコール燃料も必要以上に持ってきている。
水は俺が2リットル持っているので必要ないと言ったのに、ボトルとウォーターバッグで合計2リットル持ってきている。
もちろん、カップやコーヒー、その上、おやつまで持ってきている。
体力に自信のない人の割に、これだけ背負って登るとは、それなりに頑張ったのだろうし、山頂を楽しみたいという熱意の表れでもあるだろう。
しかし、マニアAは、これだけ荷物を揃えて、カトラリーを忘れていた。

初雪

温かいカレーを食べ、山頂でのひと時を楽しむが、辛抱できないほどではないものの、やはり寒い。
温かいコーヒーを飲みながら、マニアAの持ってきたおやつをつまんでいると、黒いテーブルの上に、白い粒がパラパラと落ちて弾んでいる。
雪だ。
どうりで寒い訳だと思いながらも、今シーズン初めてとなる雪に、やや心は躍った。

下山

最後にもう一度、山頂からの景色を楽しみ、下山する。
以前登った、花尾山も山頂からは爽快な景色を望めたが、長門市界隈は、景色の良い山に恵まれている。
下山時には、マニアAと「こんな所通ったっけ?」と度々言いながら、印象の薄いルートを下って行った。


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