脚力強化の取り組み
前回、田万川へ向け歩き、途中断念してしまってから約一ヶ月。この間、何度かランニングし、今まで以上に山を登った。もちろん、脚力強化のためだ。最終目標は、数日間で100km以上を移動できる脚力にすることであるが、今まで堕落した生活を送っていたのに、一ヶ月やそこらで十分な脚力が備わったとは考えてないが、この一ヶ月でどの程度の成果が出るかは楽しみだ。
靴の不安
今まで、オールマイティに使えていたトレッキングシューズのソールが剥がれたため、この日は最近履き始めたCaravanの登山靴を履いていたが、どうも足に合わない。右足の外側だけ、靴のハイカットの部分が足首に当たるのだ。前回登山の時も、帰るころには腫れて激痛を伴った。
この日も、靴が足首に当たっている。加えて、何故か左足の甲も痛い。まだ、出発したばかりだが、早速の不安要素を抱え、折角の楽しいトレッキングも気が重い。
不安定な天気
週間天気予報では、元々雨予報だったこの日、前日の予報では日中は晴れへと変わった。しかし、この日の朝改めて確認すると、14時頃から雨が降りそうな予報となっていた。
出発した時点では、気持ちの良い快晴で、降雨など想像できない。不安定な天候で予報も難しいのだろうが、何れにしろ、歩いている間に雨が降らない事を願うのみである。
昼飯休憩
前回、俺は、この時点で既に足にマメができ、苦痛を感じ始めていたが、この日は全く問題ない。成長の証だろうか?
ゴッツと初心者船山は、前回もこの時点では問題なかったので、この日も当然のように問題はない。
ターニングポイント
しかし、この辺りから、また、足が痛みだした。前回の下半身が全て痛い状態とは違い、足首から下だけが痛い。靴が擦れる右足首と左足の甲には激痛が走るが、それ以外の部分も漠然と痛いし、確認はしていないがマメも出来ているだろう。
ゴッツもマメが出来ているらしく、初心者船山も俺同様、足首から下が痛いと言う。
ここまでの順調さが嘘のように、足取りが重くなる。前回ほど深刻な状況ではないが、痛いものは痛い。皆、必要最小限の会話しかせず、黙々と歩く。
トンネルの向こう
あと、3時間くらい、何とかもってくれればよいがと思いながら、トンネルに入って行く。
仕方なく、雨具を羽織り、再び歩きはじめる。
心揺らぐ須佐駅
足は痛く体は冷えきり、ただ辛い。ふと、我々は何故この冬空の下、雨の中を歩いているのだろうと考えてしまう。脚は重く、歩みも遅くなっている。
そんな中、何とか前回断念した須佐駅までたどり着き、そこで休憩した。駅前の屋根の下に腰掛け、しばらく放心状態で痛い足を休ませる。
一方で、今回はリベンジとして朝から約9時間かけて、折角ここまで歩いて来た。前回と比較すれば脚の痛みも軽い。辛くても歩けば必ず辿り着けるはずであり、もし、今回辿り着かなければ、再びリベンジしなければならないので、出来れば今回は制覇しておきたいという思いもある。
だが、この選択について誰も口にしない。皆の頭の中には、この二つの選択肢はあるのだが、やはり、二回目である今回も断念してしまったという結果は避けたいという気持ちの方が若干強いのだろう。
特に議論することもなく、再びザックを背負い、冷たい雨の中へ戻っていった。
2万回の痛み
踏み出す足は一歩、一歩が痛く、顔が歪んでしまう。考えてみれば、足に痛みを感じ始めた地点から田万川までは約15km。その間、理論上で約2万歩。2万回も痛みを辛抱しなければならないとは、苦痛以外に表現のしようは無い。
苦痛のあまり歩みが遅くなり、ゴッツは一人自分のペースで先へ行ってしまったが、初心者船山は、俺にペースを合わせてくれる。そして、つまらない会話をするが、これで僅かながら気が紛れる。ただ、この“僅か”が無ければ、ギリギリのラインで保てている気持ちは、痛みのあまり続かなかったかもしれない。とても大きな“僅か”だった。
リベンジ達成
温泉施設内で靴を脱ぎ、重いザックを降ろし、雨具を脱いで、椅子に座り足を投げ出す。これで全てから解放されたという喜びと、雨と寒さをしのげる屋内で椅子に座ることのできる喜びとで、極上の幸福感を味わった。
今回の移動距離は約44km。リベンジは達成したものの、これくらいの距離は“あ~、疲れた。”と言う程度で終われるくらいの脚力にはなりたい。
まだまだである。
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