暖冬
今シーズンは、雪が少ない。冬にしては暖かい日が多い。ゲレンデのサイトを見ても、積雪深が伸びない。しかし、バックカントリーに行きたくてしょうがないので、2月の頭に、2月下旬にはきっと雪も積もるだろうと予測し、2月の最後週末に大山へ行く予定を立てた。
寒波到来
2月中旬になって、待ちに待った寒波が到来した。ある程度の積雪は見込めそうだ。だが、長期予報では、その後また気温が上がってしまう。予定していた2月下旬は、また積雪が少なくなっている可能性がある。今しかない。これが今シーズン、最初で最後のチャンスかもしれない。
いざ大山へ
予定した2月最終週末の一週間前だが、急遽、山田っさん、杉、そして初心者船山と大山へ向かった。途中、ローソンポプラでルーチンの早朝カレーを済ませ、大山山麓へと急ぐ。
大山へ近づくにつれ、積雪が深くはなっていくが、例年と比較すると、やはり圧倒的に少ない。しかし、登山口に到着してみると、例年よりは少ないものの、十分楽しめそうな積雪量がありテンションも上がる。
早速準備を整え、登山を開始する。
事前の準備
前年、初心者船山は、滑走開始時点から足が攣りまくり、全く楽しめていなかった。俺も脚力は強くないので、毎回、登山で脚が疲れてしまい、滑走の時点ではまともにエッジを切ることもできない。なので、11月以降、初心者船山とは、いくつも山に登り、走り込み等のトレーニングを行い、今シーズンは準備を万端に整えているつもりである。だが、脚力強化は一朝一夕に成るものではない。
一応、登りは無理をせず、ゆっくりと歩く。途中、山田っさんは急な斜面や登り返しのあるルートを進むと言うが、我々は、なだらかなルートを選択し、後に合流することにした。
遠くない大堰堤
この日は天気にやや不安はあったが、時折、青空が顔を覗けた。やはり雪山には蒼天が良く似合う。しかし、気持ちの良い天気は長くは続かない。再び雲行きが怪しくなり雪も舞う中、砂防堰堤がいくつも続く三の沢を歩いて行く。最後の堰堤は巨大で、その向こうには大雪原が広がり、滑走開始地点はそのすぐ先だ。
昨年は、この三の沢を歩きながら、最後の大堰堤が中々近付いてこないので、大堰堤は可動式で徐々に遠ざかっているのではないかとの説が浮上したが、今年は思いの外、すぐにたどり着けた。
これも、脚力の向上によって疲労感が薄れたことによる効果かもしれない。辛い時間は長く感じるものであるから。
昼食休憩
大堰堤を越えた。脚力が少しばかり向上したからといっても、疲労感はある。ちょうど山田っさんとも合流できたし、きりの良い場所なので昼食休憩をとることにした。
Helinoxのチェア・ゼロに座り、JETBOILで湯を沸かして、カップラーメンを食べる。雪山で暖かいものを食べることが出来ることは幸せである。
そうしていると、再び青空が顔を覗けた。この先の大雪原を蒼天の下で歩き、気持ち良い環境で滑走すべく、天気が悪くなる前に、早々に片付けて出発する。
最後の登坂
蒼天の下の大雪原は人の歩いた跡も何もなく、地ならししたような真っ白な面であり、広い空間はより広がって見え、爽快そのものだ。この環境に身を置く幸せは、労力を伴う行動によってしか得ることが出来ない。その景色に魂を取り込まれてしまったかのように、我を忘れ、唯々、幸福に浸りながら歩く。空は徐々に雲が優勢となり、それに伴うかのように勾配も急になる。やわらかい一面の雪なので、急斜面に対する恐怖心は無い。上へ上へと登りたい欲求に駆られるが山田っさんが、雪崩の危険性を指摘し、我々を制止する。
山の事だけは、山田っさんに一日の長がある。山の事だけは言うことを聞かなければならない。山の事だけは。
その地点を滑走開始地点とし、準備を整えた。
大雪原を我が物に
ザックを降ろし、スノーシューを脱ぎ、ザックの背面に着けていたボードを外して、そこにスノーシューを付ける。サングラスをゴーグルに替え、ボードは斜面を滑り落ちないよう、注意を払わなければならない。そしてザックをかるい、最後にボードを履く。外していた手袋をはめれば、準備は完了だ。面倒くさい作業ではあるが、目の前に広がる大自然は、爽快そのものの手付かずのゲレンデであり、今からこれを誰にも邪魔されることなく、我が物のように滑り降りることが出来ると思うと、面倒な作業を面倒だと思う暇もないほどワクワクする。
そして、大雪原に飲み込まれるように、斜面へ飛び込んでいく。
三の沢を満喫
大雪原に思い思いのシュプールを描き、大堰堤を越えると、ハーフパイプのような沢やその脇の林間コースを堪能した。時々コケながら、雪と戯れ、子供のように夢中になって遊ぶ。大山は、最高だ!
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