油谷は、元々油谷町だったが平成の大合併で長門市に吸収された田舎町である。なので根本的に祭りの規模は小さい。俺にとって花火は迫力が命であるが、規模の小さな花火大会に迫力などあるはずもない。噂ではレーザー光線を使っていると言う事だが、花火にレーザー光線を加えて、一体どうなるというのか?どう考えても、噂ほど期待のできる花火を見られるとは考えられない。
会場は小さな町民グラウンドを半分に仕切り、打ち上げスペースと観覧スペースに分かれ、観覧スペースにはそれなりの人は集まっているが、まだ空きスペースは沢山ある。そんな空きスペースに椅子を置いて、一人、観覧した。
すっかり暗くなった20時40分、いよいよ始まった。突然、大音量の音楽が鳴り始め、間髪入れずにレーザー光線が踊りだし、炎が炎上し、花火が打ち上がる。なんと、それらは見事に音楽とシンクロしている!会場内には、煙幕が焚かれ、レーザー光線をより効果的に演出し、目の前は突然、幻想的な異空間に変貌し、俺を釘付けにした。
“な、何だっ!これはっ!これは、もう花火大会ではない。一体何というカテゴリなのだ?”そう思いながら、かなり久しぶりに興味深いと感じたショーに夢中になり、目をそらさずに楽しんだ。
そのショーは、20分間と短かかったが、十分に見応えがあった。その一部の動画をアップするが、この動画では、俺の感じた迫力や感動は伝わらないだろう。
ショーが終わると、居ても立っても居られずにプロデューサーを捕まえ、“感動した”旨を伝えた。人付き合いの苦手そうなプロデューサーは喜んでいた。聞くと、ハウステンボスのカウントダウンなども手掛けているとの事。ハウステンボスクラスのショーを片田舎の小さな会場で、間近に見る事が出来ることは、ある意味贅沢な事かも知れない。たまには、人の集まる所にも来てみるものだ。
しかし、今までこの花火大会を俺に『レーザーも使った花火大会』と説明していた奴らの説明能力の無さには、がっかりだ。あっ、プロデューサーにこのショーのカテゴリ名を聞くことを忘れていた。
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